古川令

バックパームでの工夫(2)

 前回紹介したカードスピン同様に、パームの気配を消す方法としてカードロールがあります。ここでのカードロールとは、指先でコインのロールダウンのようにカードを4枚開くカードのロールダウンの技法ではなく、出現させた1枚のカードを指先で回転させるという現象です。

 カードを指先で回転させる一般的な方法としては、カードのコーナーの部分を持って対角線を軸に回転させる方法と思いますが、ここでは深いバックパームで行える縦に回転させる方法を紹介します。


 
 
 
 

 一般的な(浅い)バックパームでは、親指、中指、薬指で回転させるしかないので、やや不自然になります。しかし私がお勧めする深いバックパームの場合には、写真のように、親指、人差し指、中指が使えて、カードを縦に回転させられる事です。カードのコーナーを持って対角線を軸に回転させる場合には、どうしても指の先端で回転させているイメージですが、縦に回転させるとカードが手の後ろを通過しているイメージを醸し出せるので、バックパームのイメージをより強くカモフラージュできると思います。前回カードスピンとの組み合わせもお勧めです。ポイントはフラリッシュ的な見せ方ではなく、さらっとした見せ方です。例えば多くの学生さんが授業中に行うペン回しのように、「見せるため」というより、「カードを回すのが癖になっている」といった雰囲気で見せられるのが理想です。

 次回は、ファンプロダクションでのちょっとした小技をご紹介します。

バックパームでの工夫(1)    ファンプロダクションでのテクニック(1)