古川令

私が練習しないカードテクニック

 今回はちょっと変わったテーマとして、一般には人気があるにも関わらず、私が演じない技法などを紹介します。まず初めにお断りをしておきますが、これはあくまで好みの問題、考え方の問題であり、私が演じない技法の価値を否定する意図などは一切ありません。ミリオンカードにおける私のフィロソフィー(哲学)をご理解頂くのに参考になるかと考えて紹介します。

  1. カードのロールダウン
     指の間に4枚のカードを出現させるテクニック。マジック・クリスチャンの技法をマーカ・テンドーさんが大きく発展させた技法で、それをプロダクションとして演じるテクニックは凄いと思います。
  2. (パームを使った)ジャンボカードのマニピュレーション
     これもマーカ・テンドーさんのFISM受賞演技以降、多くのマニピュレーターが演じています。ミリオンカードでボリューム感を出すには、どうしてもレギュラーカードだけでは、インパクトが少ない部分もあるので、大きなカードはひとつの解決策という考えには同感です。
  3. サークル・ファン
     これもFISM特別賞の有名な技法で、さらにはサークル・ファンのプロダクションといった信じられない技に進化しています。ファンは大きい(広角)ほど良いのは間違いなく、その究極がサークル・ファンで、やってみたかったけど、先を越されて止めた技法というのが正直かも・・・
  4. 韓流プロダクション
     アンハーリムに始まり、多くのアジアの若手マジシャンが複雑な出現方法の壮絶テクニックを披露しています。個々のテクニックに名前もあるのでしょうが、とても、現象も手法もフォローもできていないので、韓流プロダクションと一括りにしました(笑)

これらの人気のテクニックを私は一切やりません。
その練習もしません。その理由は2つあります。

 ひとつは、 私の目指すミリオンカードは、シンプルに自然に、どれだけ「沢山のように」カードを出現させられるかにある事です。心理的に沢山のカードに見せるためには、スティールを行わない演技の連続性が鍵と考えますが、上記のようなテクニックは自分の求めている現象とは少し異なるという事です。最初に演じたい現象を考え、次にそのための技法を考え、納得できるまで練習するというのが私のスタンスです。

 2つ目の理由は、 いくら上手に演じても、所詮は先人の真似という事です。すでに考案者も上手な人も居るのに、それを追い越そうと後から追いかけるのは、いかにも練習の時間の無駄と考えるからです。人の真似をする練習をする位なら、誰もやっていない技に挑戦する方がずっと楽しいし効率的という考えです。

 ミリオンカードでは、基本技法のファンプロダクションですら奥の深さを痛感させられていますし、まだまだ完成度の低さに苦しんでいるテクニックもあります。今後も、よほど自分で演じたい現象を見せられない限りは、おそらく今後も自分の技法の練習や改良で手いっぱいではないかと思います。


今回は、内容に合った適当な写真が無いので、
セントルイス時代の写真を載せておきます。

ファンプロダクションでのテクニック(2)    再び、マンモスカードについて