古川令

トラブルか、演出か?

 FISM KOREAでは、照明の暗さだけでなくBGMの大きさが少し気になりました。特にイリュージョンのショーでは、私にとっては不快感ギリギリの大きさで、さらにその音楽に合わせた照明の演出には正直少し疲れました。時代の流れとして、コンテストでも今後ますますBGMに合わせた照明などでの凝った演出が進むと感じました。

 前置きはさておき、本題はFISMでのBGMのトラブルの話です。コリアン・ナイト・ガラショーの最後に、サプライズでユホジンのグランプリ受賞演技が披露されましたが、その演技の途中でBGMが消えるというハプニングがありました。BGMなしでそのまま演じきったユホジンに大きな拍手が送られました。誰に聞いても、「あれはアクシデント、演出はあり得ない」と言われます。しかし、私にはハプニングではなく、「BGMによる演出は大事だけれど、BGM無しでもマジックの感動は与えられる」というユホジンからのメッセージも含めた演出ではなかったかと勝手に推測しています。

 その根拠はユホジンのレクチャーで、BGMについて「ランダムにかかった曲に演技を合わせる練習とか、わざとBGMなしで練習する事がある」と言っていた事と、当日一度消えたBGMが演技の最後には復活した事からの推測です。

そもそも、音が途中で切れる事は考えられませんし、それが、途中では雑音が一切なく、最後だけ完璧に復活する事も考えにくく、切れる前に一瞬雑音っぽい音も、演出を想像させました。 従って、誰もがトラブルと思ったようですが、私には今後も演出重視がますます進むであろうFISMにおいて、ユホジンが自分の演技で伝えたひとつのメッセージ(演出)であったと思えたのです。

 蛇足ですが、私の本来の手順では、カードの補充無しで4分程度のプロダクションを演じるので、割り取ったカードの枚数や状況に応じ、見せたい間も時間も変わります。途中はBGMをかけ流して、終盤で曲チェンジのキューが出せれば、曲に合わせる苦しみから逃れられると、ユホジンの音無し演技で最後に曲が復活した事を見ながら感じました。

FISM Korea 2018