古川令

FFFF

今年のプログラム。2年前の演技の写真を入れてくれました。

 FFFF(Fechters Finger Flicking Frolic、略して4F)は、FISMのクロースアップのマネージャーも務めるObie O’Brienが中心になって行っているクロースアップのコンベンションで、おそらく世界で最も人気のあるコンベンションと言っても過言ではありません。NY州のBataviaという小さな町のホテルをほぼ貸し切って毎年4月の末に4日間開催されるイベントで、大きな特徴は、完全招待制のコンベンションで配偶者も参加できません。毎年1名(1組)のGuest of Honor以外のマジシャンは、どれだけ有名であろうが自費で参加費を払って参加するというシステムです。250名限定で、最初の参加には過去に参加したメンバー2名の推薦が必要で、認められれば5~7分程度の演技を求められます。毎年80名位が演技をするので、参加者の3人に一人が演技をするような割合です。

 本来はクロースアップのためのコンベンションであったのが、最近はステージマジシャンも若干数が参加しています。私は2015年のTMAで入賞した際に、Obieから勧められ、2016年、2018年と参加させて頂いたので、クロースアップとの対比において感じた事をご紹介します。


4Fのホテル。

フロントやロビーも完全に4Fモード。

 まず、クロースアップのためのステージなので、幕はなく、すり鉢状に観客席が設けられています。上からと左右の角度がきついので、当初はファンカードなどを加えてサロン風の手順を作る事も考えたのですが、Obieからマンモスカードのフル手順を希望されたので、ステージアクトで演じました。結果から話せば、お蔭様で2回ともスタンディング・オベーションを頂きました。パーラーマジックのサイズでもミリオンカードは有利である事が判りましたので、その点について書きたいと思います。

 250人位のスケールになると、後ろからはテーブルのカードの識別が難しくなります。従って左右に大きなスクリーンを配置し、そこに拡大映像を流す事で演技の現象が判るようなシステムです。
 極端に言えばすり鉢状の客席で、正直角度は結構きついですが、観客は全員マジシャンですので、パーム漏れは差し引いて見てくれたように思います。ちなみに私の場合、パーム漏れはスティールを行わない証明にもなり、ブラックアートのネタバレとは大きく異なります。そのような状況であれば、クロースアップよりもカードマニピュレーションの方が圧倒的に有利になります。今年の私出番は81人の演技者の中で49番目でした。それまでずっと会場の空気が重かったので心配しましたが、お蔭様で今大会初のスタンディング・オベーションを頂きました。やはり、客席から現象がよく見える事、テクニックが伝わる事、さらに多くの現象を連続して示せられる事などで、スライハンドの有利さは体感できました。
 このようなパーラーマジックのステージでは、幕が無いので板付の演技には不向きで、ブラックアートには至近距離の厳しさがあります。ブラックアウトなど照明での演出は困難で、演出への依存度が少ない手練マジックでは強みが活かせるメリットがあります。

観客の頭の位置から、距離の近さが判ると思います。
この距離に堪えられるかどうかが鍵でしょう。




これは2016年のファイナル・ガラ。なんと5名がFISM受賞者で凄いメンバーです。
一部のトリでしたが、お蔭様で総立ちのスタンディング・オベーションを頂きました。




今大会を通じて私が最初のスタンディング・オベーションを頂きました。
スタンディング・オベーションの場合、最初というのは一番価値があります。

トラブルか、演出か?