古川令

オリジナル・カードの作り方

 私がステージで使っているジャンボカードは、バイスクルのジャンボカードは小さ過ぎて適当な大きさのカードが無かったので自作した事は以前に紹介しましたが、その後、もう少し大きくしたくなり、新たに自作しました。 マニピュレーション用のカードを自作しようという方は滅多にいらっしゃらないと思いますが、サロン用のパケットマジックなどを作る場合に参考になるかと思いご紹介します。

右2枚はバイスクルのポーカーサイズとジャンボカード。
一番左のカードはカットだけの状態で未印刷。

 必要なのは、デザインをコピーする元カード、トランプ用の紙、断裁機とプリンターです。カードはフォーインデックスのジャンボカードを用いました。印刷用のトランプ用紙はネットで購入できます。
 A3、A4などだけでなく、指定サイズの注文も可能ですので、もし予めサイズが決まっている場合は、指定サイズで断裁後の紙を購入すればよいと思います。私の場合はいろいろ作ってみたいという事で、大きいサイズで購入し、断裁して作成した方が費用対効果でメリットありと考えました。

 大きな紙をきれいに同じサイズにカットするには裁断機が必須です。一般的な押し切り型で良いと思いますが、より精度が高そうなロータリー式の裁断機(コクヨ)にしてみました。かなり簡単に全く同じサイズにカットでき、カットしたカードを揃えても違和感はありません。


 角の部分は、サンスター文具の「かどまるPRO」というコーナーカッターでアールにしました。半径3㎜、5㎜、8㎜の3種類のカット径が可能で、名刺などを丸くする使い方もできます。
印刷するカードデザインの作成は、まずカードをスキャンしてpdfとし、スナップショットで必要部分を切り取り、印刷するトランプのサイズに設定したWordの白紙に貼り付けました。pdfの場合、縦横の比率もカードの縁の幅も自由に設定できます。

 最後に印刷ですが、ここでの最大の問題は家庭用のインクジェット・プリンターではうまく印刷できず、レーザープリンターかコピー機が必要という事です。枚数が少なければ、知人や会社のコピー機を使わせてもらうとか、キンコーズなどに持ち込んでコピーする事も可能と思いますが、私は今後の事も考えてレーザープリンターを購入しました。
今回作成したジャンボカードで、比較にバイスクルのポーカーサイズとジャンボカードを入れてます。一番大きいブランクカードは、試しに作ってみたけどちょっと大き過ぎたものです。小さいサイズのカードの場合は、大きな紙にまとめてプリントアウトしてからトランプのサイズにカットするのが良いと思います。
今回紹介した方法で作成したカードの弱点は、ネットで買えるトランプ紙にエンボス加工がなく、滑りには難がある事です。私はロウを塗るので問題ありませんが、サロン用などではファンニングパウダーなどで加工した方が使いやすいでしょう。また大きいサイズのカードの場合には、カードの柔らかさ(曲がりやすさ)が問題ですが、カードを2枚貼り合わせる事で増強できます。

 手持ちのインクジェット・プリンターで・・という方には、右写真の透明シールがお勧めです。 作りたいカードのデザインをスキャン、あるいはネットからダウンロードし、シールにプリントアウト。 ブランクフェースのカードに切り貼りするだけで、意外に滑りも良いオリジナル・カードが簡単に作れます。
ラベルシールは「白」や「光沢透明」ではなんく「つや消し」タイプがお勧めです。エンボス加工も透けて見えますし、重ねる事も可能です。 自作の絵のパケットマジックは観客が親しみやすい(覚えやすい)という特徴もあり、ちょっと大きめにすると観客も見やすいという事で、私はバイスクルのレギュラーデックを使う事はほとんど無くなりました。

 
グリコの「お菓子のマジック」のオリジナル・カード
(ポーカーサイズ)とシールで作成したジャンボカード。
 
テンヨーの「不思議な回り寿司」のデモ用に作成したカード
お皿のシールに寿司のシールを重ねて作成。

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