古川令

パラフィンワックスについて

 年齢と共に手が乾燥するようになり、ファンニングパウダーからロウに変えた事は以前に紹介しましたが、ロウの問題はカードが汚れる事と、特に寒い時に滑りが悪くなる事です。

 温度に関しては、出番前からカードをポケットに入れて温めるなどの対策がありますが、カードの汚れは予防策がなく、私にとっては観客にカードを見せられないという意味で問題です。今後ビデオの解像度が良くなると、汚れのあるカードはますます使い辛くなると予想されます。多少の弾力性があるプラスチックの定規などを使って汚れを落としてましたが、やはり手間がかかります。

 ロウの汚れ落としについては、T大奇術愛好会OBの友人がペットボトルのキャップを使う方法を教えてくれました。マーカ・テンドーさんに教えてもらったそうですが、確かにとてもいいです。キャップによっては小さなでっぱりがあるので、サンドペーパーでフラットにしてから使うようにしています。キャップを使うメリットは、汚れカスの多くがキャップの中に入ってあまり散らからないのと、なによりキャップが汚れたら捨てれば良いという便利さです。大きいカードに適した、ちょっと大きめのキャップもあります。
 ささやかなアイデアですが、私は改めてマーカ・テンドーさんのカードへの思い入れを感じました。

 大学時代、ファンカードのロウは市販のロウソクで良いと教えられ、マーカ・テンドーさんは亀山ロウソクを愛用していたという話も聞いた事があります。長年、ファンカードでしかロウを使っていなかったのでロウの種類は気にしていなかったのですが、ミリオンカードで使うとなると、どうしてもロウソクでは塗りむらや滑りの重さなども気になりました。
 試しにミリオンカード用のロウで試してみると、塗りやすさはロウソクよりも良い感じです。2種類の製品を購入して比べてみると使用感が微妙に違っていました。片方はネット販売ではなくコンベンションのディーラーブースで購入しましたが、アシスタントの方から独自の配合と言われました。確かにネットで買ったロウよりも軽い感じであったので、それをレギュラーカード用として、やや重いネット品をジャンボ・マンモスカード用にしましたが、何か不満は残っていました。

 スキーのワックスには気温や雪質に応じたワックスがあるように、ミリオンカード用でも、季節や個人の手の特徴に応じたワックスがあっても良いのではないかなどと考えていた時、あるプロのマジシャンからロウの小片を頂きました。使ってみると今までのロウとは全然違うので驚きました。そのプロマジシャンもカード用のロウを商品で出されているのですが、その商品と最初に頂いた小片とは見た目が違いました。もし成分が違う場合にはトップシークレットの情報なのかも知れません。

 そのような経緯もあって、市販のロウソクやマジックショップのロウを買うのではなく、自分で探してみようと考えました。パラフィンワックスとしてネットで購入できます。とりあえず、これが良いかと500g買ってみたのが写真です。最初に頂いた小片とは微妙に違う感じですが、少なくとも市販品よりは私に合っている感じです。とりあえずこれをしばらく使ってみようと思います。

オリジナル・カードの作り方