古川令

デアゴスティーニ・カード

 デアゴスティーニのThe MagicシリーズのNo.52にマニピュレーション用のポーカーサイズのカードが添付されています。薄型、フォーインデックス、裏がピンクで、私のお勧めであった日本かるた社のMAGICIAN’S CARDが販売中止になって以来、ようやく使えるマニピュレーション用のカードが発売されました。

 カードの特徴として、厚さは日本かるた製よりも若干厚いですが、カードは大分柔らかくなっています。従って、私の場合、日本かるた製は使う前に少ししごいて柔らかくする必要がありましたが、デアゴのカードはすぐに使えるという感じです。
 カードの滑りは悪いので、The Magicではロウの塗り方から解説されています。ロウを塗れば、元のカードの滑りの良し悪しは関係ありません。

 細かな工夫もなされています。まず、インデックスをギリギリ外側にしている点で、ファンにした時の見栄えでの工夫が感じられます。写真のように少ない巾でインデックスを見せる事ができます。また、写真のようにカードの白度は高いです。

 2枚のジョーカーのバックはブラックアート用の黒と肌色になっています。ただ、今のバックで十分に迷彩ができているので、わざわざ肌色のカードを使う必要性はほとんど無く、黒バック2枚でもよかったように思います。
 なお、トップカードを黒バックにしても、カードの側面の部分は白が目立ちますので、以前にご紹介した百均のイラストレーションマーカーなどでカードの側面を目立たなくさせるのが良いと思います。

 The Magicでは、No.52でファンプロダクション、No.53で一枚出しをDVDで解説してます。これからミリオンカードを始める人にもお勧めです。

 それでは、日本かるた製とどちらが好みかというと、私の場合はより薄い日本かるた製になります。また、実は長年気付かなかったのですが、日本かるた社のカードはポーカーサイズ(89㎜×63㎜)と思ってましたが、実際には縦横1㎜短い事が判りました(写真の白部分)。たかが1㎜なのですが、パームした時の感覚(安心感)が大きく違います。
 過去に何度か、ポーカーサイズのファンカードでのマニピュレーションの手順を作ろうとしましたが、どこか感覚が合わずに断念してきました。その理由がカードのサイズによるものである事が判ったのは、実はほんの2~3年前の話です。試しにカードをさらに1㎜短く裁断してみると、私にはさらに使いやすい事が判りました。プロ野球の選手がバットのグリップを㎜単位で調節する気持ちもよく判り、市販品ではなく自分用のカードを作るのが良いという事をこの年になって感じています。

テーパー加工など        学生時代のオリジナル技法について