古川令

スピン&ファンプロダクション(2)

 空中にスピンさせて投げ上げた1枚のカードをキャッチしたらファンが出現するというオリジナル技法について20回目の寄稿で紹介しました。その当時の持ち方は写真のように人差し指と小指でパケットを挟み、そのポジションから投げ上げる瞬間に人差し指にひっかける感じでスピンをかける事がノウハウと当時は考えていました。しかし、その後になって投げる時のカードの持ち方はあまり関係ない事が判り、かなり前から投げ方を変えていますのでアップデートしておきます。

 その後の検討で、指でカードの縁を挟む必要はなく、写真のような普通にカードを持つポジションから手首のスナップで回転を加えて投げる方法で十分可能である事が判りました。フェイスは中指を中心に人差し指と薬指を添えています。この持ち方の方が回転や高さなどのコントロールがしやすい事が判りました。

 持ち方を変えたきっかけは背面投げ(からのファン)への挑戦でした。背面からスピンさせて投げるには従来のカードの持ち方では無理で、試しに普通に写真の持ち方でやってみたら、意外に簡単にできたというのがきっかけでした。

 カードの縁を指で挟む必要がなくなると、背面投げからのファンだけでなく、例えば写真のように、ディーリングポジションから2つのブロックに分ける事で、片手で投げて空中で分裂した2つのパケットを両手でキャッチしてのダブルファンの出現といった技も可能になりました。写真の場合、トップが右手、ボトムが左でキャッチしてファンにします。

 先入観にとらわれない事で、スピン&ファンプロダクションが生まれ、そして育っています。新しい技法の追求はまだまだ続きます。

学生時代のオリジナル技法について        次回 ≫