古川令

オリジナルカードのお勧め

 私がオリジナルのカードを作るようになったきっかけは、「お菓子のマジック」という商品の開発でデモ用カードのニーズからでした。ブランクカードにパソコンで印刷したシールを貼ってみると意外に使える事が判りました。オリジナルのカードが作れる事で、今までのカードマジックのアレンジも楽しめますし、トランプよりも遠くからの判別が容易などのメリットもあります。
 今回はインクジェットプリンターで作成できるオリジナルカードのメリットと作り方を以下にご紹介します。

1.インクジェット印刷用シールを購入する

 A4サイズのフリーカットの透明つや消しシールを使います。白色シールは全面に貼っても絵の部分だけ切り取って貼っても違和感がありお勧めできません。
 透明シールには光沢タイプとつや消しタイプがありますが、光沢タイプはカードが光ってシールの存在が目立ちますが、つや消しタイプはエンボス加工も透けて自然です。

2.カードのデザインを作成する

 動物や食品など多くの無料イラストがネットにありますので、お気に入りのデザインを検索してダウンロードできます。また、印刷物からスキャンして取り込む事もできます。
適当なデザイン素材が無い場合にはデザインを自作する事も可能です。右の写真は自作のパケットマジックのオチのカードですが、このようなデザインはネットでは得られませんので、イチゴポッキーはPowerPointでデザインしたもの、モルガンダラーは本物を写真に撮って作成しました。

3.シールに印刷してブランクカードに貼り付ける

 カードのデザインが決まれば、使うカードのサイズに合わせてインクジェットプリンターで印刷し、必要な部分だけを切り取って貼りつけます。このようにシールを切り貼りしてもシールの境目の部分は全く気になりません。手渡しでシールがバレた事は一度もありません。
 ただ一点注意すべき事は、インクジェットのシールのカードは水に弱いという弱点がある事です。水滴がついたグラスを触った手などは要注意です(濡れるリスクがある場合には、紙に印刷してラミネート加工という手はあります)。

4.少し特殊なカードの作り方

 右の写真(上)はお菓子のカードのジャンボカードバージョンです。ジャンボカードは市販のブランクカードもありますが、印刷前のトランプ用紙がネットで購入できるので、裁断機で好みのサイズにカットして作成する事もできます。カードの角の部分は「かどまるPRO」などのコーナーカッターで丸くカットできます。
 ジャンボカードのデザインは、グリコの商品のお菓子のカード(下がポーカーサイズの商品)をスキャンし、拡大して印刷し、ジャンボカードに貼り付けて作成しました。トランプと違ってお菓子のカードの場合には、カードの予言に本物のお菓子を使い、最後にプレゼントするなどの使い方もできます。

写真のお寿司のカードは、お皿とお寿司は別々にダウンロードしてプリントアウトしたもので、それを重ねてカードに貼ってます。重ねて貼ってもシールの違和感は全くありません。実はこのお寿司は食品サンプルお寿司の写真で、写真と全く同じ寿司サンプル(本物)を最後に出現させるという使い方ができます。

5.滑り状態の改善

 私はシールを貼ったカードの滑りで困った事はほとんどありませんが、気になる場合にはファンニングパウダーを少しつける事で解決します。

 以上、今回は簡単で実用的なオリジナルカードの作り方をご紹介しました。変わった使用例としては、ステージのミリオンカードでニチユーのマンモスカードを使っていた時に、インデックスの無いコーナーにシールを貼り付け、すべて4インデックスにしてました。透明シールはカード以外にも使えるので応用は無限です。

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