平川一彦

私とエド・マーロー
第9回

<マジックの上達方法>

 私がここに発表させて頂いているマーローの作品は、マジックを長く研究している方にはそうでもないでしょうが、マジックをやり始めたばかり、研究し始めたばかり、そして、マジックそのものに単に興味があるだけという人には、非常に難しく、理解しにくいと思います。

 確かに、初歩の人にとっては内容が細かいので、うんざりして、嫌かもしれません。何事もそうですが、マジックも基礎(基本)が大切です。これを知らなくてもマジックはできますが、知らないままでマジックを演じても、本当の意味で受けるとは言えません。

 では、どうすれば基礎を学べるかというと、まず、単にマジックに興味を持っている初めての人には、町の本屋さんで売っている日本語の手品の本やDVDを見ることを勧めます。これには、マジックに興味を持つように、全般的な作品が紹介されています。

 次に、もっと詳しく知りたいという人には、名のある人(日本人、外国人、プロを含めて)が解説している日本語の本やDVDがあります。この辺りになると、マジックの基礎が紹介してあります。(しかし、中には、間違って解説しているものもありますので注意。)

 しかし、これらをやっても根気良くやらないと、マジックが嫌になるかもしれません。また、前に言ったように、DVDを見ると、それだけで覚えた気になってしまうという、最悪の事態になる恐れがあります。

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 本やDVDを見ながら、実際にマジックの道具を持って練習することです。そうでないと覚えられません。これは何も、初歩の人にだけでなく、我々全員に言えることです。

 最良の方法は、マジックの確実な基礎(基本)を知っている人にきちんと教わることです。その上で、自分でも本やDVDで勉強するのが良いと思います。私の所にも、マジックを覚えたいという人が来ますが、マジックを簡単に考えているような人が意外と多いことに驚きます。基本を教えても、それを真剣に覚えようという人は少ないように見受けられるのです。

 基本に関係なく、マジックを単に面白く、数多く覚えたいという人には、全国にあるマジック・クラブに入会することを勧めます。そこには、講師と言われる人がいて、その人を中心に、マジックを楽しく和気あいあいとやっています。そして発表会もあり、一般の人たちに見せています。この人達の中にも、マジックを真剣に研究している人もいますので、そういう人を早く見つけると良いと思います。

 また、あなたに語学力(外国語)があり、原書を読んだり、そのDVDを見て研究する能力を持っているのならば、素晴らしい結果が待っているでしょう。以上のような情報を得るには、現代の頼れる友、パソコンを駆使するといいでしょう。

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 何はともあれ、マジックを演じられると年齢も関係なく、多くの老若男女と知り合えます。マジックを1つか2つしか知らなくても、それを見せると相手は、ワーすごい!と寄って来ます。

 それがお金のマジックだと相手(特に女性)は目の色が変ります。本当です。たとえば女性に普通(お金でない)のマジックを見せても“あら、そう”とか、“ふーん”といった様子で、横目でチラ、チラと見ているだけですが、いったん、お金(特にお札、中でも万札)を使ったマジックをやると、その“ふーん”と言っていた女性の顔色がサッと変り、体勢も、きちんと、こちらに向き直って、目をキラキラさせながら見ます。男性とは比較にならない程の反応が見られるはずです。実に不思議な現象で、こちらが本当のマジックではないかと思う気がしないでもありません。

 私がマジックをやると、よく言われるのが“千円札を一万円札にして!!”です。人間だれでもそうかもしれませんが、私がこれまで見せてきた女性は、実に現実的で、実にしっかりしています。男性も見習わなければいけませんね。

 いずれにしても、相手の喜んだ顔を見ると、嬉しくて、もっとマジックを覚えて人に見せようという気になるものです。皆さんも、たくさんマジックを覚えて人に見せて下さい。見せることで必然的に上達していきます。

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