平川一彦

マーロー・ライブラリー 5
1960年代 (1)


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Multiple Shift(Revolutionary Card Technique)

1961, P.59,Soft Cover, Magic Inc.


4項目の中にテクニック、バリエーション、トリック、その他を含めて43種類に分類して、130カットの挿絵で解説しています。

このマルティプル・シフトとは、デックの中に差し込んだ何枚かのカードを同時にデックのトップまたは、ボトムにコントロールする方法です。そして、とても楽しいシフトです。 
 
 



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Card Switches(Revolutionary Card Technique)

1961, P.65,Soft Cover, Magic Inc.


最初に"カードスイッチ"と"カードチェンジ"と"カードエクスチェンジ"の 違いの説明文から始まり、続けてこのスイッチに使う多くのパームポジション、 基本的なリア・フラットパーム、リア・アングルパーム、サム・クリップパーム、 レイティスト・サム・クリップパームを説明しています。
この本は45項目、124カットの挿絵で解説してあり、ほとんどマーローの創作品であり 全てにおいて感心させられる内容です。
中でも"マーロー・スイッチ"、"サーキュラー・チェンジ" "スプレッド・スイッチ"  "トップパーム・スイッチ"などが面白く、シリーズの中で私が一番気に入っている本です。
マーローのこのカードスイッチを学んだ後に、"マーローマガジン"のNo.3,4,5のデックスイッチを 身につければ、それはもう奇術を通り越した魔法が出来ます。



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Card To Wallet

Edward Marlo, 1961, P.31,Hard Cover, Muriel Marlo and Randy Wakeman


Wallet、つまり、財布の中に客が選んだカードを現わすトリックを18項目に分類して、54カットの挿絵で解説しています。
マーローが序文で「この方法はオリジナルで、自分でも素晴らしいと思う」と自画自賛しているように、私も、マーローが1つの主題に対してこれほど深く取り組んでいたとは驚きです。
特に、カードを財布に戻す方法(Loading Method)の発想は見事と言う他ありません。 
 



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Estimation(Revolutionary Card Technique)

1962, P.80,Soft Cover, Magic Inc.


80ページの前半を43種類のテクニックの解説と、後半を33種類のトリックで纏めています。

上記のカードテクニックシリーズの本は、私にカードマジックの力を与えてくれた本、また、言い換えると、私のカードマジックに対する能力を高めてくれた本です。

”エスティメイション”とは、どんなテクニックかというと、客がカットしたカードの枚数をかなりの程度まで推測する方法で、トリックの中では”マーロー・ミラクル・ストップ・スタッブ”が面白いです。

ページ数の多い少ないに限らず、タイトル”Revolutionary”という言葉の示す通り”画期的”つまり”新時代を開くほど優れている”本と言っても過言ではないと思っています。



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Tilt

Ed.Marlo, 1962, P.28,Soft Cover, Magic Inc.


前半はティルトのベーシック・ムーブとその種類を、そして、後半はそのティルトを使ったトリックを、計8カットの挿絵と共に30種類に分類してそれぞれ解説しています。
このテクニックはカードをデックの真ん中あたりに入れたように見せて、実は、トップから2枚目に入れる方法です。
私は、これを初めて故 高木重朗先生から見せられた時は、ものすごく驚き、そして、その方法を知って、ひどく感心しました。
残念なことに、現在、この本は絶版で写真の表紙は複製したものになります。



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Ed Marlo's Lecture Notes

1965, P.28,Soft Cover, Magic Inc.


このレクチャーノートの内容は写真、挿絵はなく、7種類のカードの他はコイン、ボール、リング、ハンカチーフ、フラッシュビル、サムタイ、カップアンドボールそれぞれ1種類の解説です。
中でも最後の“カップアンドボール”は、ページ数を11ページも使用している長いルーティーンなので覚えるのに時間がかかりますが、論理的な“流れ”の解説に感心します。 
 
 
 



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Expert Card Conjuring

Alton Sharpe, 1968, P.141,Hard Cover


エキスパート向けのこの本は、パート1,2,3に分類されていて、そのうち、マーローは、パート1と3で、パート2は他の国際的に有名なカーディシャン達のトリックです。
マーローのテクニックでは、ダブルリフトの代用“Double Lift Substitutes”、トリックでは、ストップトリック“An Approach To The Stop Trick”にはひたすら感心するばかりです。
 
 
 

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