平川一彦

マーロー・ライブラリー 7
1970年代 (2)


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Kabbala

Jon Racherbaumer, 1976, P.159,Hardcover, Louis Tannen Inc.


“ユダヤ教の秘密の教えを記したとされる書物”という意味の、この“カバラ”は3巻目(No.1~No.12)の1冊ですが、写真104枚、挿絵18カットで、内容はカード関係65種類、コイン(Box)1種類、マーロー他、数名のカーディシャンが解説している上級者向けの本です。
私はこの本で、初めてワンハンド・ティルト(One-Hand Tilt)を覚えました。


Marlo's Magazine by Edward Marlo


全部でA4版の6巻から成り、全てのカードオンリーの著作選集で、それぞれのトリック テクニックの論説、考察、主張がカードのエキスパートと非常に創造性のある人向けに解説された本です。


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Marlo's Magazine Vol.1

1976, P.325,Spiralbound.

ボーナストリックを含めて5章88項目、291カットの挿絵で解説しています。
K.H.ムーブを使ったテクニックとトリックが13種類、 エースシリーズが14種類、オイル・アンド・ウォーターが8種類その他が61種類の内容です。

K.H.ムーブの項では、 "ダブルカードエクスチェンジ(Double Card Exchanges)"、 "サプライズ・トランスポジション(Surprise Transposition)"
エースの項では、 "ダク・アンド・プル(duck And Pull)"、 "スクープ・アップ・パーム(Scoop Up Palm)"
オイル・アンド・ウォーター(Oil And Water)の項では、 "キュートシー・クライマックス(Cutesey Climax)" "ファザー・ディサティション・オン・オイル・アンド・ウォーター(Further Dissertation On Oil And Water)"
その他では "ザ・ピアノ・デュエット(The Piano Duet)"、 "ノーパーム・クライマックス(No Palm Climax)"、 "スリーカード、コントロール(Three Card Control)"、
"ラッピング・ムーブス(Lapping Moves)"などが私のお気に入りです。



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Marlo's Magazine Vol.2

1977, P.325,Spiralbound.


この2巻目は、1巻目を読んだ読者の熱狂的な支持と反響で出来上がったと言われています。 そしてそれにはマーローの弟子であるデビット・ソロモン氏のトリックを組み入れてあり、 全体でボーナストリックを含めて8章93項目の種類と454カットの挿絵で構成されています。
中でもパスは圧巻です。 例えば、 "マーロー・ティルト・パス(Malo Tilt Pass)" "マーロー・リストターン・パス(Malo Wrist Turn Pass)"
"スプリング・ドリブル・テーブル・パス(Spring Dribble Table Pass)"。
その他では、エルムズ・レイカウント(Elmsley Count)や ダミコ・スプレッド(D'Amico Spread) を使ったトリックの"カニバル(Cannibals)"
そしてテクニックの "フェイク・アウト・エルムズ・レイカウント(Faked Out Elms Count)" "マーロー・スイベル・チェンジ(Marlo Swivel Change)" などが興味深いです。

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Marlo's Magazine Vol.3

1979, P.371,Spiralbound.


マーローマガジンは6巻とも、テクニックとトリックが 混じったカードエキスパート向けの本ですが、この巻もカードマジックを深く覚えようとしている人にとっては最高に興味深い内容です。
7章109項目の種類と541カットの挿絵で構成されていますが、中でもカード・スイッチとデック・スイッチに関して多くのページ数を使っています。
例えば "マーローズ・カバード・デックスイッチ(Marlo's Covered Deck Switch)"、 "マーローズ・ダブル・アンダーカット・デックスイッチ(Marlo's Double Undercut Deck Switch)"、 "マーロー・キック・スイッチ(Marlo Kick Switch)"
、 などは注意したいテクニックです。
他には"フレキシブル・クリンピング・テクニック(Flexible Crimping Tecnique)"や "マーロー・ピンチ・スプレッド(Marlo's Pinch Spread)"
また、 "ブロック・プッシュオフ・テクニック(Block Pushoff Technique)"、
"フレキシブル・フォース(Flexible Force)"なども大切なテクニックです。

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