平川一彦

マーロー・ライブラリー 8
1980年代 (1)


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Marlo's Magazine Vol.4

1980, P.349,Spiralbound.


5章145項目の種類と594カットの挿絵で構成されている中で注目すべきは、 "ザ・カード・ツー・ケース(The Card To Case)"と、 "フォールス・カウント(False Counts)"と "パス(Pass)"そしてスイッチ(Switch)
でしょう。 その中でもザ・カード・ツー・ケースが17種類と最多でその "マニュアル・メソッド(Manual Methods)"の No.1,2,3が私のお気に入りです。
次に多いのがスイッチで、カード、パケット、 デックそれぞれのスイッチが14項目の種類で解説されていて、 これを行うには、多少度胸がいります。
例えばカードスイッチでは、"マーロー・カード・スイッチ(Marlo Card Switch)"、 パケットスイッチでは、その項目のNo.1,2、デックスイッチでは、その項目のNo.1,3、 フォールス・カウントでは左手のデックの持ち方と数え方が自然なので相手は疑惑を持ちません。 その意味で"カウンティング・レス・アズ・モア(Counting Less As More)"は 参考になります。
パスでは、チャーリーパス(Charlier Pass)を使った "ザ・テーブルド・チャーリー(The Tabled Charlier)"と "ザ・テーブルズ・エッジ(The Table's Edge)"。 他には大胆でそして騙されやすい "ボールド・テーブルド・シフト(Bold Tabled Shifts)"などがあり、 皆さんに演じてほしいテクニックです。



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Marlo Without Tears

Jon Racherbaumer, 1983, P.317,Hardcover,
A Korem Publication


これも、どちらかというと上級者向けのテクニック(スライト)の本で、スティール、スイッチ、パス、ラッピング、ディーリングなどマーローの独創的で現代的なテクニックが解説されていて、その中でも“The 380-Degree Tilt”, P.11や“Drop-off Switch”, P.283などは興味深いテクニックです。





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Marlo's Magazine Vol.5

1984, P.348,Spiralbound.


17章、314項目の種類、753カットの挿絵で構成されています。 マーローは前文でこの巻も今まで出版されたマガジンを購入してくれた 人たちの支持で完成したと言っています。

章、項目、挿絵のどれをとっても全6巻の中で最多を誇っているこの本の中で 私は次の項目に注目しました。
"コンビンスィング・コントロール(Convincing Controls)"、
"ニューパーム(New Palms)"、"パス(Pass)"、
"スイッチ(Swtch)"、"カル(Cull)"、
"カードワレット(Card To Wallet)"、そして特筆すべき
"ノー・パーム・トラベラーズ(No Palm Travelers)"。



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Thirty Five Years later

Edward Marlo, 1986, P.61,Hardcover.


マーローのレクチャーノートの一部を編集したもので、29種類のカードマジックを97枚の写真で解説。
“The Eidetic Slide”、“Flexible Miracle Spread”、“Anchored Add On”などはその発想に驚き、そして感心しました。
スライハンドの好きな人は、必ず気に入る本だと思います。





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Marlo's Magazine Vol.6

1988, P.304,Spiralbound.


11章228項目の種類289カットの挿絵で構成しているこの最終巻で特に注目するのは、 第2章の "イントロダクション・ツー・オン・ザ・カード・ツー・ポケット (Introduction To On The Card To Pocket)"
です。 これはカードをポケットへ入れる時のズボンのサイドポケットの使い方と コートの内ポケットとサイドポケットの使い方がイラストと共に 詳細に解説されていてビックリします。

最後に"マーローマガジン"の完成には多くの人達の協力がありました。
イラストはボブ・ネルソン(Bob Nelson)、インデックス、アレンジ、取材は
デーブ・ソロモン(Dave Solomon)、 タイプ、レイアウトはマーロー夫人のムリエル(Muriel)、 線画はバリープライス(Barry Price)、 カバーデザインはジョーン・カーツ(John Kurtz)、そして他には ケーシー・バルト(Casy Balt)とその夫人のバーバラ(Barbara)、 マガジンへの寄稿者。
以上の人達の献身的な協力があってこそ、素晴らしい著作物が完成したのです。



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M.I.N.T.

vol I~III, Edward Marlo, 1988,Hardcover.
L&L, Publishing


Marlo In New Topsのそれぞれの頭文字を並べたM.I.N.T.は、各冊とも300ページ以上で、マーローが1963年から月刊誌New Topsに寄稿していた作品を、マイク マクスウェルとデビッド ミカエル エバンスが編集して、L&L社から出版した3冊です。
内容は全て上級者向けの作品で、どちらかというとテクニックが大部分を占めています。



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So Soon?

Edward Marlo, 1989, P.55,Softcover.


これもマーローのレクチャーノートを編集したもので、3つのパートに分類して33種類のカードマジックを105カットの挿絵で解説。
中でも“Simplex Card Switch”、“Copless Unbelievable Aces”、“Impromptu Everywhere And Nowhere”などは、そのルーティーンを覚えている最中に感動しっぱなしでした。



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