オン・ザ・テーブル
第22回
ワット・ハップン？

ティムウェンクのギミックコインを使ったマーローの面白いトリックをもう一つ紹介しましょう。これは単独でも出来ますが第21回ゼイアー・ヒアー・ノーゼア・ノーホェア？に続ける事も出来ます。

４枚のカードの下に入れたコインがパフォーマーのスナップで消えたり、他のカードに移動したり、そして最後には、全て消えてしまいます。

ティムウェンクのギミックコイン　１個
ギミックと同種類のコイン　４枚（ここではそのうち１枚を使います）
カード　４枚
クロースアップマット　１枚

マーローのトリック"ゼイアー・ヒアー・ノーゼア・ノーホエアー？"が終わってからこのトリックを続けるとします。
ギミックは前のトリックで膝にあります。テーブルにはマット上に４枚のコインと４枚のカードが置いてあります。

パフォーマーは何気なく右手を膝に下ろして、ギミックを手の平の指の上に保持します。左手は前のトリックが終わってコインを片付けようと、テーブルの４枚のコインを取り上げてテーブルエッジより下へさげます。
左手をテーブルエッジより下げたら、客に気付かれないように左手の親指で集めたコインの１枚を右手のギミックの上に押し出します。
そして右手に４枚のコイン（実はギミックと１枚）を見せながら、テーブルの上に出します。「普通はやらないのですが、もう一度やってみましょう。」と言いながら、左手は残った３枚のコインを音がしないように膝のどこか邪魔にならない場所へ置きます。
客が興味を示す前までに左手はテーブルに出して、４枚のカードをフェイスダウンで通常の正方形（ピックアップムーブの形）に配置します。
左手は左下のカードを持ち上げます。右手は手の平を下に向けて、先程左手から受け取った１枚のコインを親指でテーブルに押し出します＜写真１＞。

写真１

左手はそのコインにカードをカバーします。右手は以後、手の平を下に向けたままにしておきます。次に右手の親指はギミックを前方へ押し出してコインの１枚分を右手の指先へ現します＜写真２＞。
左手はテーブルの左下のカードの内側サイドを親指で持ち上げて、その下へまるでコインを置くかのように右手の指先を突っ込みます＜写真３＞。

写真２

写真３

次にカードでコインを見えなくするやいなや、右手の親指はギミックを４本指の方へ引き戻します。そして、右手をカードの下から引っ込めて、左手はカードをまるでその下にコインがあるかのようにテーブルのコインに下ろします。
この見せ掛けの動作を右上のカードで繰り返します。つまりギミックコインの１枚分を指先に押し出してカードの下へ入れ、左手のカードが右手の指をカバーした時に、ギミックを再び引き戻します。
続けて右下のカードで繰り返しますが、今度はギミックその物を実際にそのカードの下へ置いてしまいます。
次に左手はギミックをカバーしているカードを＜写真４＞のように下へスライドして、ギミックの最も外側のコインの部分をカードの下からはみ出して見せます。左手の指先はそのままカードの上からギミックを押さえておきます。次は右手の親指をカードのトップに付け、はみ出たコインを右手の中指の指先でカードの下の右方向へ押し込みます。
するとギミックは左手の指先で押さえている部分を軸として右回転して＜写真５＞のように位置します。

写真４

写真５

客は４枚のカードの下にコインがあると思っていますが、実際は外側のカードの下にコインは無く、左下のカードの下に１枚、そして右下カードの下に３枚（ギミック）あります。
次に左手は左下カードを持ち上げてコインを見せてから、再びカバーします。左手は指をスナップして、ピックアップムーブを行いカードの下のコインが消えた事を示します。
左手はテーブルエッジに付けて、右手は直ぐに右下カードを押さえて、少し後ろへスライドして２枚のコインを現します。
同時に左手はカードに隠しているコインを膝へラッピングします＜写真６＞。次に左手はカードを左下の元の場所へ戻して、右手はカードを前方へ押してギミックをカバーしますが、更にピックアップムーブの準備をします。

写真６

つまり右手の親指の指先に、ギミックの最も内側のコインを感じ取るまで、カードを前方へスライドします。両手はスナップをします。そして左手は左上のカードを、右手は右下のカードを＜写真７＞のように握ります。直ぐに左手はカードを持ち上げて、右手はピックアップムーブをします＜写真８＞。

写真７

写真８

『Coin magic』by Richard Kau f man:
"What Happened?" by Edward Marlo P.168～170