オン・ザ・テーブル
第23回
ウェイ・アヘッド・コイン・アセンブリー

このトリックはディンゲル/シュナイダーのピックアップムーブのようにカードのフェイスにコインを挟み取りますが、少し違う点は２枚のコインを一緒にピックアップする事です。

コインをカバーしたそれぞれのカードの上でスナップすると、その下のコインは消えて、最後に１枚のカードの下に集まってしまいます。

１００円玉　４枚
カード　４枚
表面が普通よりソフトなクロースアップマット　１枚

マットに４枚のコインと４枚のカード（フェイスダウン）を置きます。

４枚のコインを通常の正方形に並べます。そして、左手をカードに近付けて、先ず４本の指をトップに付けて、親指をカードの右サイドからフェイス側に付けて持ち上げます＜写真１＞。

写真１

次に左手の平を上に返して、カードのフェイスを上に向けると同時に右手を左手に近付けます。そして左手の親指でフェイス２枚のカードを右手へ押し出して、左右の手にそれぞれペアカードを保持します。
両手を返してカードのフェイスを下に向けます。そしてそれぞれペアのトップカードを４本指で前方へ押し出します＜写真２＞。
次に両手を同時に動かして左手は左上のコインを、右手は右上のコインを押し出したトップカードでカバーします。コインをカバーしたら両手の親指をそれぞれコインの下に滑り込ませて、コインをペアの下のカードのフェイスに引き上げて保持します＜写真３＞。

写真２

写真３

次にペアのトップカードを表面上は、外側のコイン２枚をカバーしたかのようにテーブルへフェイスダウンに落とします。
両手は持っているカードのフェイスに、コインを保持したままさらにカードを少し上に上げて、裏面を客の方へ傾けながら、パフォーマー側へ引き戻します＜写真４＞。

写真４

最終的に両手は持っているカードでそれぞれ左下と右下のコインをカバーして、両手からカードとコインを放します。この時にコインが接触しないように注意します。以上のアクションはスムーズにしかも連続で行います。
客から眺めるとパフォーマーがフェイスダウンカードでそれぞれ４枚のコインをカバーしたかの様に見えます。実際は客側のカードの下にはコインは無く、パフォーマー側のカードの下にそれぞれ２枚のコインが入っています。
「それぞれのカードの下にはコインがあります。」と言って、両手は手前のカードの内側サイドを掴みます。
さらに両手の親指はカードの下のコイン１枚を、こっそりとカードのフェイスに挟み取ります。カードを後方（パフォーマー側）にスライドして、それぞれ１枚のコインを再び現します＜写真５＞。

次に両手はカードを戻してコインをカバーしますが、その時にそれぞれのコインが＜写真６＞のように横に並ぶように配置します。
＜写真６＞はコインの横並びをはっきりさせる為にフェイスアップにしていますが、実際はフェイスダウンでコインをカバーしています。

写真５

写真６

「私が指をスナップすると不思議な事が起きます」といって手前のカードの上で指をスナップします。
直ぐに両手は手前のそれぞれのカードを持ち上げます。つまり、右手は右下カードを普通に持ち上げますが、左手の親指は２枚のコインを挟み、カードを持ち上げます。両手はカードをパフォーマー側へ動かして右下カードの下に２枚のコインを現します＜写真７、８＞。

右手は持っているカードのアウター（フロント）サイドで、２枚のコインを少し前方へ押し出します。この押し出す動作は、１枚のコインがまるで移ったかのように見え、非常に重要な動作です。

写真７

写真８

次に右手は持っているカードをマットの中央へフェイスアップでトスします。同時に左手は持っているカードを、そのフェイス側に隠している２枚のコインと共に右下のコイン２枚をカバーします。
しかし、必ずしもマットのコイン２枚を完全にカバーする必要はありません＜写真９、１０＞。これはマット上のコインにカードに隠しているコインが当たらないようにもしています。左手はカードとコインを放します。

写真９

写真１０

再び両手は右上と右下のカードの上でスナップをします＜写真１１＞。右手は右上のカードを掴んで持ち上げます。コインは消えています。
ほとんど同時に左手は右下カードをその下にある４枚のコインのうち１枚だけを親指に挟んで後方へ引き、３枚のコインを現します＜写真１２＞。これはコインがさらに１枚移ってきたかのように見えます。

写真１１

写真１２