平川一彦

パンドワー
第16回
テン イヤーズ アゴー

現象

 デックの中に4Aをフェイスアップで入れて、そのデックをテーブルにフェイスアップでリボンスプレッドすると中央の4枚のカードはキングに変化して、パフォーマーがポケットから出した封筒を客があけるとそこには4Aが入っています。

準備

・4エースのダブルフェイス カード(以下DFCと表記)4枚
 (裏面はエースとキング以外のカード)
・角封筒 1枚
・デック 1組

 DFCの裏面と同じカードをデックから取り出してこれは使用しません。更にデックから4枚のAを取り出して、ハートのAの表面にパフォーマーの頭文字を書きます。それと同じ頭文字をDFCのハートのAの表面に、しかも同じ場所に全く同じに書きます。

 レギュラーのAを<写真1>のように クラブ、ハート、スペード、ダイヤ の順に並べて角封筒に入れ、封をしてコートの左内ポケットに入れておきます。 次にデックからキング4枚を取り出してデックのトップカードの下にフェイスアップで置きます。DFCの4枚は封筒に入れたエースと同じクラブ、ハート、スペード、ダイヤの順でA面を上に向けてフェイスアップのデックの中にばらばらに配置してケースに入れておきます。<写真2>

    写真1
    写真2

手順

  1. パフォーマーはケースからデックを取り出して左手にフェイスアップにターンして持ち、トップカードの下のひっくり返っている4枚のキングが客に見えないように注意しながら以前に解説した〔カードの両手間スプレッド・アウトジョグ〕で両手間に広げて行き、<写真3>のようにアウトジョグした4枚のA(DFC)を右手で取り出してフェイスアップのままテーブルに置きます。しかしAを取り出す時にもDFCだという事が分からないように注意します。(Aの表面の頭文字には注意を払わないようにします。)
  2. 写真3

  3. 次にデックを左手にフェイスダウンにターンします。フェイスアップの4枚のKの上にフェイスダウンのトップカードがあるのでデックは全く普通に見えます。そして右手はテーブルの4枚のAを全部一緒に取り上げてフェイスアップのままデックのトップに置き、<写真4>のようにコンプリートカットして4枚のAを中央に持っていきます。そしてデックをフェイスアップにターンしてテーブルにリボンスプレッドします。
  4. 写真4

  5. すると<写真5>のようにスプレッドの中央にフェイスダウンの4枚のAが見えます。しかしこれは前もってトップカードの下にひっくり返しておいた4枚のKです。
    右手はAだと思われているこの4枚を一緒に取り出して左手に少し開いたファンの形に持ちます。<写真6>
  6. 写真5
    写真6

  7. そして右手は左手のトップカードを、右手の親指をバックに、人さし指と中指をフェイスに付けて取り去り、右手の中指でフェイスをスナップして<写真7>のようにカードの左サイドをテーブルに付けて左方向へフェイスアップにターンします。
  8. 写真7

  9. 右手は次のカードも同様にスナップしてテーブルのKの右サイドに少し重なるようにフェイスアップにターンします。<写真8>
    同じ動作を残りのKで行います。テーブルには中央が少し開いたフェイスアップのリボンスプレッドと4枚のフェイスアップのKがあります。<写真9>
  10. 写真8
    写真9

  11. パフォーマーは右手をポケットに入れて封筒を取り出し、それを客の前にトスして「その封を開けて中に入っている物を取り出して見て下さい。」と言います。<写真10>
  12. 写真10

  13. さて、ハートのAの表面に書いた頭文字が気に掛かりますね。しかしパフォーマーはこの頭文字にはどんな時でも注意を促しません。そしてこの良さは最後に客の反応を見たパフォーマー自身が分かるでしょう。

"The Kardician" by Edward Marlo,P.9~10,
"Kardially Yours" by Edward Marlo,P.211~212,


マーローの大部分の原書はマジックを知っている人を対象にしていて基本動作などを詳しく解説していませんので、初めて彼のマジックに出合った人は戸惑うと思いますが、そこは私が基本に忠実に解説しています。 〔テン イヤーズ アゴー〕で、4枚のKをリボンスプレッドから取り出した後にスプレッドを集めてDFCをボトムに持ってくる方法を私は次のように行っています。

4枚のKを取り出したリボンスプレッドは、そこの部分が少し広がって2つのスプレッドに分かれています。先ず、左手で<写真11>のように2つに分かれたスプレッドの中央から右側のスプレッドを右手に集めていき、両手で揃えて左手にパケットで持ちます。

写真11

そして左手はテーブルに残ったスプレッドの左端(トップ)へ持って来て左手の親指で持っているパケットのフェイスカードを右側へ押し出して<写真12>のようにその右サイドをスプレッドのトップカードの左サイドから下へ差し込み、そのままスプレッドを右手へ集めていきます。両手で左手に揃えるとボトム(フェイス)の4枚はDFCです。

写真12

その左手に揃える時にこっそりとボトム4枚(DFC)を少し広げて元へ戻す時に4枚目のDFCの下(次)に左手の小指のブレイクを作ります。<写真13>そのまま左手をコートの左サイドのポケットに入れて親指でブレイク以上のDFC4枚をポケットの中へ滑らして落します。

写真13

これは小指でブレイクを作っているのでデックの左上コーナーを親指で少し強く押さえながら<写真14>のようにその親指を下方へプッシュする(滑らせる)と4枚のDFCが自然とデックから放れてポケット内に落ちます。<写真14>はコートの左サイドのポケット内の動作です。

写真14

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