氣賀康夫

フォールスリフルシャフル
( False Riffle Shuffle )


    <解説>
    カード奇術では、カードを混ぜたように思わせて実は混ぜないという「嘘の切り方」という技法が多用されます。 false shuffle、false cutと呼ばれるのがそのための方法です。 なお、普通のfalse shuffleでは、カードの一部が混ざってしまうのが一般的ですが、実は、一組のカードを一枚も崩さないような嘘の切り方があります。 今回はそのために有効なfalse riffle shuffleという技法を幾つかご紹介します。

     リフルシャフルとは一組のカードを二分しておいて、その各々を本のページをめくるような所作で交差させて切り混ぜる切り方のことですが、 この切り方では普通、カードはとてもよく切り混ざります。その切り方の動作を使いながら、カードを一枚も狂わさず元の状態に保つのがfalse riffle shuffleの特色です。 今回は次の四種類をご紹介することにしました。

    1. プルスルーシャフル:
      筆者の恩師高木重朗師が愛用していた方法を発展させた方法をご紹介します。プルスルーシャフルは非常に難しい技法とされています。
      特にカードを2mmくらいの単位で正確にコントロールしておいて混ぜたカードを密かに引き抜く方法を実行する奇術家もあります。
      しかし、筆者がご推奨する高木師のアプローチでは、mm単位の精緻さを必要としません。 近代的ミスディレクションでカードを巧妙に扱い、本当に切っているように見せる方法論です。
    2. トライアンフシャフル:
      ダイ・バーノンの名作「トライアンフ」に採用されたシャフルを上手に活用するとこのような手続きでフォールスシャフルになるという方法です。
    3. Vシャフル:
      この切り方はdovetail shuffleとも呼ばれますが、カードをV字形に切り混ぜます。この方法のミスディレクションには筆者が独特の工夫を加えました。
    4. ロゼッタシャフル:
      これは厳密に言うとリフルシャフルではありませんが、原理は正にリフルシャフルそのものです。 スナップディールという技法を開発したことで知られるスウェーデンの研究家レナ-トグリーンが紹介している手法を活用した方法をご紹介します。




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