坂本圭史

ハリー フーディニについて
~ザ・グレーティスト マジシャン イン ザ ワールド~

私が“カード コレクション”をしている事を知っている友人から、過日「こんなカード、お持ちでしょうか?」といただいたのが脱出王として有名なハリー・フーディニのトランプだった。(写真1、写真2)
フーディニと言えば私のマジック人生60年のスタートラインでもあった想い出がある。

写真1
写真2


昭和45年、物流事情調査のツアーから帰国した亡父坂本種芳は、旅の途上、ナイヤガラの滝近くで、計らずも「フーディニ ミュージアム」に立寄る事が出来た事に少なからず満足していた。亡父はエンジニアであったが、日本で最も伝統のある「東京アマチュアマジシャンズクラブ」の創立者の一人としてマジックには非常に強い関心を持っていた。

その17年後の昭和62年、私はたまたま所用でカナダに出張した際、暇を見てナイヤガラを訪れた。滝を見る事が目的であったが、嘗て亡父が訪れた「フーディニ ミュージアム」が見れれば・・・と言う淡い期待を持っていた。 程なく見つけた同ミュージアムでは、伝説的に聞いていたフーディニ使用の奇術道具を目の当たりにした。(写真3、写真4、写真5、写真6、写真7)

写真3
写真4
写真5
写真6
写真7

名画「魔術の恋」を思い出し、彼のパフォーマンスが瞼に浮かんだ。
振り返ると私が未だ学生であった昭和29年、戦争のキズは漸く癒えたとは言え、日米の生活格差は物質的にも精神的にも、天と地ほどの開きがあった。
その頃、上映されたのが「魔術の恋(原名:フーディニ)」。トニー・カーチスとその夫人ジャネット・リー主演の、ハリー・フーディニ夫妻の伝記映画であった。「物質文明豊かな国アメリカ」「超人と呼ぶに相応しいマジシャンの姿」、「超常現象の解明に力を注いで来た諸場面」「アメリカンスピリット」そして「甘く美しいロマンス」など、私の青春時代の憧れを全て満たしてくれた印象深い映画であった。映画のプログラム2種(写真8)と当時劇場の支配人に頼んでいただいたポスター(写真9)。今でも大切に保存している。

写真8
写真9

その後、平成4年、ナイヤガラに家族で観光旅行に行った折も、同ミュージアムを訪ねたが、何故か、規模が縮小されていた事は何とも残念な想いがした。

奇しくも今年(平成24年)は、フーディニから直かにマジックの教えを受けたと言う「フィリップ フォックスウェル氏(現在98歳でロスアンジェルス在住」のご子息とお会いする機会にも恵まれた。

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