稀代の脱出王ハリー・フーディーニ(本名エーリッヒ・ワイス)は、1874年3月24日、ハンガリーの首都ブタペストで生れ、4才の時に一家でアメリカに移住しました。
その生誕150年記念として、母国ハンガリーで発行された切手が、このセルフのり小型シートです。
フーディーニ生誕150年記念
(ハンガリー・2024年発行、実寸:120mm x 77mm)
フーディーニが両手両足を縛られ監禁された図案と、切手本体には「南京錠」が描かれています。図案は、フーディーニが主演した5本の長編無声映画の第2作“Terror Island”(恐怖島)(制作・1920年)の有名なシーンです。
依頼主の父親を救うために恐怖島に上陸するのですが、黒幕の悪党の手下たちに捕まり、椅子に縛られたまま、電話で遠隔操作される爆弾から脱出する場面でした。こうした脱出場面はフーディーニの、手錠抜けの技量を映画の観客に驚かせることにありました。
(Terror Island(恐怖島)の有名な監禁シーン)
この切手(南京錠)にUV(紫外線)ライトを当てると、フーディーニの肖像(鎖で手が縛られている)が赤色で出現。続いて切手をめくると、その下の台紙にフーディーニの肖像が現れ、さらにこの肖像にUVライトを当てると、今度は赤色の南京錠が出現する。つまり脱出・拘束状態を繰り返す、手の込んだ仕掛けとなっているのです。
(図版提供:(公財)日本郵趣協会)
卓越した身体能力、巧みなマスコミ操縦法とエネルギッシュで強烈な自己顕示欲が、まれにみる天才ショーマンを生み出していったのです。
この映画が作られた6年後の1926年10月31日、わずか52才で不慮の出来事により、死者の霊が家に帰るといわれるハロウィーンの日に亡くなったのは、洵に残念なことでした。
(注:仕掛けのある、もう一つのフーディーニの切手については、拙稿マジックラビリンス「マジックの切手」第5回-「鎖で縛られた脱出王フーディーニ」をご覧下さい)