平川一彦

クロースアップロード
第10回

ユゥ・ドゥ・アズ・アイ・ドゥ(2)

 次のはマーローのこの種の中でも私が一番気に入ってる1つです。
この種のトリックはデックを交換しなければなりませんが、 これはそのデック交換が無くキーカードを覚える必要もありません。

    現象

    客とパフォーマーの胸ポケットへ入れたそれぞれのカードが一致してしまいます。

    準備

    ケースに入った赤デックと青デックの2組前もって赤デックから1枚のカード(例えばハートの7)を 取り出して、そのバックを外側に向けてパフォーマーの胸ポケットへ深く入れておきます。
    もちろん客はこの秘密を知りません。 赤デックをケースに戻して青デックが入ったケースと共にテーブルに置いておきます。

    ルーティーン

  1. パフォーマーは両デックをケースから取り出して、テーブルへフェイスダウンで置き、 第9回ユゥ・ドゥ・アズ・アイ・ドゥ(1) のフォースで赤デックを客に取らせます。 この赤デックのハートの7はパフォーマーの胸ポケットに入っています。
    パフォーマーは客に「その中からジョーカーを取出してテーブルの端へ置いて下さい」と言って、 パフォーマーも青デックからジョーカーを捜します。
    しかし、この時パフォーマーは先ずハートの7を捜して、そのカードをデックのトップから 例えば5枚目にくるようにデックをカットしてその枚数目を覚えておきます<写真1>

    写真1
  2. もしジョーカーが入っていたら、それを取出してケースと共にテーブルの端へ置きます。客も同じ事をします。 次にパフォーマーは青デックをフェイスダウンでテーブルへリボンスプレッドして、 客にも同じ事をするように言います。 パフォーマーは右手をスプレッドの上方に持ってきて、 カードを選ぶかのように左右に動かしながら、 右手の指で1枚のカード(トップから5枚目のハートの7)をスプレッドの前方へ押し出します <写真2>

    写真2
  3. そして客に「貴方も好きなカードをこのように前へ押し出して、 その表を見ないでそのままにしておいて下さい」と言います。
    客は赤デックをテーブルへスプレッドして1枚のカードをその前方へ押し出します<写真3>

    写真3
  4. 次にパフォーマーは客に向かって「では私が出した、このカードを表を見ないで しかもその裏を外側に向けて貴方の胸ポケットへ入れて下さい」と言って、 右手でパフォーマーのカードを客の方へスライドします。
    「私も同じ事をします」と言って、 右手で客のカードを取り上げて、その表を見ないで また裏を外側に向けてパフォーマーの胸ポケットへ完全に深く入れます。 入れると同時に、客のカードを放して、前もって入れておいた、赤バックのハートの7をポケットから 上へ約半分位引き出してポケットから突き出しておきます<写真4>

    写真4
  5. この動作をする時にパフォーマーは客に向かって「カードを全部ポケットへ入れないで、 半分位をこのように残しておいて下さい。」と言います。 客はパフォーマーのカードを自分のポケットへ入れるのに注意を払っているので、 このスイッチには気付きません。 次にパフォーマーはテーブルのデック2組を取り上げてテーブルの端へ置きます。

  6. 客とパフォーマーの胸ポケットには赤と青のカードが半分位、上へ突き出ています。 ここでパフォーマーは客に「私が初めにスプレッドからカードを出して、その後に貴方が出しました。 そしてカードを交換して、それぞれのポケットへ入れました」と今までの過程を言います。
    続けてパフォーマーは自分のポケットから突き出ているカードを出して、その表を見ないで テーブルへフェイスダウンで置きます。

  7. そして客に「貴方もカードの表を見ないで、テーブルへ裏向きに出して下さい」と言います。 客がカードをテーブルへ置いたら、「恐れ入りますが、私が貴方に渡したカードを表向きにして下さい」と言います。
    客はカードをフェイスアップにします。
    パフォーマーは「ハートの7」と言ってから続けて「こちらは、貴方が私に渡したカードです」と言って、 そのカードをスローでフェイスアップにします<写真5>。 「ハートの7」と言って客の顔を見て首を傾げてニヤッと少し白い歯を見せます。

    写真5

    "You Do As I Do" Edward Marlo: "Early Marlo" P78~79


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