氣賀康夫

どこにもないようで、どこにもあるカード
(Everywhere and Nowhere)


    <解説>
    この奇術のプロットは十九世紀にウィーンで活躍した奇術家ホフツィンサー(1806-1875)の考案とされています。
    その演じ方も現在に伝えらえていますが、いまではそれをレパ―トリーにしようとする人の話を聞いたことがありません。 いわば、幻の奇術と言えると思います。

    ところで、この奇術は小舞台で演じられていたのではないかと想像されます。 技術的にクラブアクトなら何とかなると思いますが、テーブルでのクロースアップマジックではそれを演ずる気になりません。 その理由は、原案では非常に難しいトップチェンジ、ボトムチェンジという技法を駆使するからです。

    そこで、筆者は永年、このプロットをクロースアップカード奇術として演じるためには使う技法を検討しなおすべきであると考えて、研究をし続けてまいりました。
    その結果、現代奇術でよく用いらえるハンドリングだけでその実演を可能にする方法を開発することに成功したものです。
    ここにその手順をご紹介したいと考えます。





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