平川一彦

マーロー・ライブラリー 3
1950年代 (1)


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The Cardician

Edward Marlo, 1953, P.199,Soft Cover.
Magic Inc.


マーローの著作の中でも、“Revolutionary Card Technique”と並んで最も有名で、しかもベストセラーにもなったこの本は、カードのテクニック、トリックを総数85項目、挿絵154カットで解説していて、私のマジックに大きな影響を与えたと言っても過言ではありません。
テクニックでは“Double Turnover Change”、“Misdirection Palm”、“Tabled Second Deal”、“Invisible Bottom Deal”、トリックでは“The Trick Deck”、“Platform Aces”などに感心しました。
 



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The Magic Seven

Edward Marlo, 1954, P.23,Soft Cover.


挿絵36で解説しているこの見事なルーティーンは、5段階と長い繰り返しなので、素人にはあまり受けませんがマニアは感心するでしょう。
 
 
 
 
 
 
 



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Miracle Card Changes(Revolutionary Card Technique)

Edward Marlo,1954, P.24,Soft Cover.
Magic,inc


1954年出版というと、私が9歳の時で、平成22年の今から57年前になります。

内容は”チェンジ”がNo.1~No.3の中に11項目、全54カットの挿絵に分類してあり、No.1は基本動作(ベーシックムーブ)、それを利用した4つの方法、その最後に1つのバリエーション・トリックが解説されています。

No.2は故 石田 天海氏のマニピュレイティブ・ルーティーンを参考にしたマーロー自身のテクニカルルーティーンが解説されています。

No.3は両手にデックを持たないで、しかも、スタンディングで行うところのスリービングを利用した流れるように華麗なマニピュレーションを解説し、その次に3つのトリックを解説してあり、特に最後のそれは、バック・パーム・クリップのテクニックを使った、これも流れるように美しいマニピュレーションが解説されています。



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Action Palm(Revolutionary Card Technigue)

Edward Marlo,1956, P.54,Soft Cover.
Magic,inc


私達が普通に行っているパームのほとんどは既に揃っている状態のデックを静止して、さらに続けてそのデックを揃えながらカードをパームしています。

このパターンは同じシリーズ(リボルーショナリー・カード・テクニック)の中に テーブルド・パーム(The Tabled Palm)がありますが、 それはまさしく、ほとんどデックをテーブルに置いて行うパームです。
それに対してこの”アクションパーム”はデックをシャッフルしながら、あるいはファンを作りながら、 またカードをターンしたりカウントしたり、そしてカルしている最中にカードをパームする方法と、 それに関する事柄を45種類の項目と37カットの挿絵に分類して解説しています。 中でも"ミスデレクションパーム"が有名。

確かにデックで何か動作をしながらパームをすれば、相手に少しも懐疑心を起こさせないし、 パフォーマーもトリックを演じやすいといえます。
マーローのこの考え方と方法は、私達がいままで考えもしなかった とても重要なしかも実用的な事柄です。



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Finger Tip Control(Revolutionary Card Technigue)

Edward Marlo,1956, P.23,Soft Cover.
Magic,inc


このシリーズの中でページ数が23ページと最も少ない本ですが、その中に6種類の方法と14カットの挿絵で解説されています。

これはデックの左下コーナーを左手の指先で保持して、右手の人差し指でデックの右上コーナーをリフルして、相手にストップをかけてもらい、ボトムのカードを覚えてもらいます。

それから、残りのカードを全てリフルしながら、デックを揃えてから、相手のカードを見つける、という皆さんもよく知っているテクニックです。
この中でも最後の”Marlo's D.F.C.”は、素晴らしい方法です。



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Side Steal(Revolutionary Card Technique)

Edward Marlo,1957, P.61,Soft Cover.
Magic,inc


61ページ中、34項目、100カットの挿絵と7つのトリックに分類されていて、スタンダードなサイドスティールから大胆なスティールまで、詳細に解説されています。

そして、私はその中でも”クリップ・スティール”が大好きです。スティールしたカードをパームするのに私はこの本で初めて、マーロー・パーム・ポジションを知り、今でもパームというと、このパーム(アングル パーム)を使っています。



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Tabled Palm(Revolutionary Card Technique)

Edward Marlo,1957, P.38,Soft Cover.
Magic,inc


このパームはシリーズの中の”アクション・パーム”と違って、デックをテーブルに置いた状態でカードをパームする方法が57カットの挿絵で、11種類のトリックを中間に挟み、15種類のテクニックをその前後に分けた計26項目を解説しています。

テクニックでは”リボンスプレッド・パーム”
トリックでは”ライズ・ライズ・ライズ”が見ものです。

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