氣賀康夫

アンカーパズル
第1回

パズルと奇術

 パズルには、どこか奇術と共通のところがあります。それは囲碁と将棋とを兄弟のように考えることと似ています。アメリカのマーチン・ガードナーは、奇術とパズルの両面で啓蒙書を多く著していることで知られています。筆者が現在在籍している東京アマチュアマジシャンズクラブの諸先輩を見ても、両刀使いがかなり目立ちます。柴田直光の名著『奇術種明かし』にはパズルの原理が多く紹介されており、一目で著者がパズルの大家とわかります。また、我が国の近代奇術の父である高木重朗も著書は圧倒的に奇術書が多いのですが、実はパズル研究分野でも一流でした。しかし、この会の会員でなんと言ってもパズルで名をあげたのは芦ヶ原伸之、高木茂男でしょう。この両名は日本を代表するパズル研究家でした。そして現在も奇術、パズルの両方に軸足を置いている熱心な研究家も在籍しています。私は芦ヶ原、高木両氏にパズル懇話会への入会を強く勧められたことがありますが、結局入会を遠慮しました。それはパズルが嫌いだからではありません。これ以上趣味を増やしては時間がパンクすると考えたからです。
さて、雑談はそのくらいに止め、本論を急ぎましょう。

アンカーパズル

 アンカーパズルとは、いろいろな形の木やプラスチックの板を並びかえて、問題図に示されたシルエットの図形の完成に挑戦するパズルのことです。これをシルエットパズルと呼ぶ人もあります。日本ではラッキーパズルという名称で売られている長方形のものが有名です。<写真1>一方、西洋では「タングラム」と呼ばれる正方形のものがよく知られています。<写真2>

ラッキーパズル
<写真1>
ラッキーパズル (実寸:5cmx6cm)
タングラム
<写真2>
タングラム (実寸:9.3cmx9.3cm)


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